舞台「少年たち」を観てから岩本照を天才と呼べない

202310月4日、Snow Manのリーダー岩本照さんが初めて演出構成を手掛けた、
ジャニーズ伝統の舞台「少年たち」を新橋演舞場で観劇しました。

「少年たち」観劇は2019年以来、実に4年ぶりです。
その前は映画「少年たち」で映画館に通ったし(ワンカメショー目当てで)、
Snow Manにハマったばかりの頃にからくも当選したチケット握りしめて1回だけ観劇をした2017年の「少年たち」くらい。

「少年たち」ステータスとしては低い状態での観劇でした。
私はSnow Manのファンなので基本Snow Man以外のものに興味がなく
「少年たち」がHi美に引き継がれたのは知っていましたが言うなればその辺の知識しかありませんでした。
まさか時を超えて自担が演出構成を担当するなんて思わず、担当が手掛けているのだから観ないわけにはいかないので
Snow Manヲタクの味方・歌舞伎会にてちゃっかり初日のチケットをゲット、ネタバレなしで観てやるわどんなもんやと演舞場にドキドキしながら行きました。

 

で、観たのですけど・・・

 

今年の「少年たち」ヤバくない!?!?

 

なんこれ…私の知ってる少年たちやない…
私の中での少年たちは荒くれものたちのやさぐれ熱血ストーリーやで…
「♪いらつくんだよ冗談じゃない」つって岩本さんが何にキレたのかよくわからんタイミングで歌い出してジェシーの胸倉つかんで喧嘩するヤツじゃん…?
「俺たちの叫びが聞こえるかぁぁ!?」ドラム音:ズラタタタタタタッツッツ「♪か~ぜ~の~子~一等しょぉ~」(どこからともなく風)ってヤツじゃん!?!?!?!?
そこはかとないダサさがあるのが「少年たち」じゃないの!?!?

 
ってことで普段私は現場で岩本照さんしか記憶をしない都合の良い頭をしているため
岩本照さんが出ていないこの舞台をどう未来の自分に残すことが出来るのだ…

そうだ、文字で残そう!!!!

と初めてのはてブロに手をつけてみました。

 ここから綴るのはあくまで何年後かの自分のためです。
私は岩本担で、基本岩本にしか興味ないです。
岩本照を通さなきゃSnow Manのメンバーだってジャニーズだって知らんがな精神です。
そんな私がまったく知らないといっても過言ではない美 少年の子たちが演じる「少年たち」を観て感じたことをレッツ文字化!!!
まだ公演中なので本筋のネタバレはしないようにしていますが気になる方はご注意ください。

それでは、いってみよう!

 

▼「少年たち 闇を突き抜けて」STORY(パンフレット引用)

20XX年、日本。
平和で便利な、いつも通りの日々を送る人々。

しかしその平和な日常は、ある日突然、跡形もなく消え去る。
日本が、戦争状態に入ったのだ。

終戦後、荒廃した街で、生き延びるためにやむを得ず犯罪に手を染め、
刑務所に収監された少年たちがいた。

彼らは“赤”と“青”の2つの房に分けられ、日々ケンカに明け暮れるが、
それぞれが抱える悲しみや苦悩を知る中で、
少しずつ、仲間としての“絆”が芽生えていく。

そんな中、ある少年の弟が、生命の危機にひんしていることを知る一同。
無謀と知りながらも、彼らはついに、この刑務所から脱獄しようと決意する。

 “闇”のその先で、少年たちを待つ“未来”とは-。

 

ストーリーを観るといつもの少年たち感あるじゃないですか?
違うんです、今年は。

平和な日常に訪れた突然の戦争、たった2年、されど2年。
この2年でたくさんの人々の人生を変え、少年たちは生き残るために必死。
捕まる前からNORTH(ノース)とSOUTH(サウス)で派閥が別れてしまっていて
そこでもひともめあったんだろうなぁというのがわかる形で収監されるのでなんで赤房?青房?みたいなライトな疑問も浮かばずにスッとストーリーに入っていける。

主演は美 少年の6人が務めていて

赤房は
・記憶を失った状態でもともと赤房にいたタイショウ
・青房のナスと訳ありのウキショ
・パン好きのリュウ

青房は
・喧嘩上等の荒くれものナス
・敬語キャラの秀才フジイ
元少年兵の過去を持つカナサシ

そんな6人が収監されながらも毎日を生きて、絆を深めていくのですが…

 

いちいち演出がスタイリッシュなんだよね

 

岩本さん演出の大きな特徴は紗幕、ライティング、廻り舞台と言われる盆
の3つかと思います。

岩本さんがライティング厨・シルエット厨であることは岩本担ではなくとも、すの担の中では大変に有名です。※Snow Manの岩本振付曲のダンプラ映像は岩本が監督みたいなことしています
監獄をライトだけで表現したり、ライトで各々に感情を表したり、客席に多くライトを散りばめることで舞台全体で臨場感を出していたり、やたらかっこいいライティングでこちらを翻弄したり…

 

ライトを使って空間を制す

まさに岩本さんが好む手法でした。

 

紗幕の使い方もそう、全ては空間把握能力に長けていないとあんな使い方は出来ないと思っていて、紗幕のおかげで全体のテンポも良ければどことなく最新技術を使った舞台にも感じられるようになりました。
廻り舞台、通称・盆はSnow Manが長年出演していた「滝沢歌舞伎」でもよく使われていて、あの盆を頻繁に使うことは2階席・3階席のお客さんからすると全体を見渡せる特権にもなると思ってる。
舞台って近ければ近いだけ良いと思うじゃない?
遠い座席の2階席・3階席のお楽しみが増えるのはすごく良いと思う。

盆を使っての場面切り替えは見事だったし、「闇を突き抜けて」や美 少年の新曲のパフォーマンスでも盆を使った演出を入れていて新橋演舞場で魅せる意味があったなと感じました。
ダンスパフォーマンスになるとあれだけあった舞台セットが一気にはけて、ライトと演者だけになるのパフォ好きからしたらめちゃくちゃ解釈一致。
サブタイトルになっている「闇を突き抜けて」だけでも7000円は払ってる。

 

一幕だけでも岩本さんが手掛けたのがわかるほどのライティングと構成でした。
(ゴリゴリ岩本出しすぎてて怖いくらい)

 

全体的にその3つが見事に二幕でも活きていて、更に言うなら今年の脚本が観客の予想を裏切る考察的観点で楽しめるようになっています。
どことなく滝沢歌舞伎味もあったり(音楽も歌舞伎のものを使ってるシーン有)ジャニワ感があったり、ジャニーズ舞台の融合を感じられた。

 

ストーリーがあまりにもしっかりしているからか、ラストのタイショウのシーンでは自然と涙が出てきますマジで。
「少年たち」だよ…?トンチキきいててトンデモストーリーでしかなかった「少年たち」で泣く……だと?
ああ…このまま彼らは未来に向かって…闇を尽き抜けて…と思いきやの衝撃のラスト。
岩本さんはタイトルロゴも決めたそうですが、一体脚本のどこまで岩本さんが関わっているのか…?
あのタイトルロゴであのラストはセンスが天元突破していないか…?

 

ラストの衝撃のままエンドロールが紗幕に映像で映し出されるのですが観客が圧倒されてワンテンポ拍手が遅れたのはめちゃくちゃ素直な反応だったと思う。
真っ赤な背景に黒字で映し出される大きな自担の名前にすら一瞬反応できなかったくらい、あの短い時間では終わりを咀嚼できなかった。

そのあとの割れんばかりの拍手を、たぶん私は一生忘れることが出来ないと思う。

 

全てを観終わって舞台の良さだったり、そもそものストーリーの考察だったりを友達と語りたいくらいには楽しめた舞台で、純粋に没頭できました。
あそこのタイショウは、あの看守長は、ナスがさ、結局こうだよね?なんて。
大変申し訳ないことに私はジャニーズ舞台においてはストーリーを気にするものではないと思っていました。
最近だと「DREAM BOYS」も観ましたし、過去にはジャニワだったりジャニアイだったり、「滝沢歌舞伎」は2016年からではありますが毎年観ていて、お芝居パートのお話の本筋で感想を言い合うなんてことは経験がなかったんです。
ドリボはトンデモ展開が面白すぎてずっと「みんな見て…!ショウタのグローブに、鉛の板が入ってる…!」のセリフが好きすぎて永遠にこすってた←
パフォーマンスを受け取るのがジャニーズ舞台の楽しみ方、考えるな感じろ、だと思っていたのに、
今年の「少年たち」はそんな私が勝手に決めた概念すら覆してきました。

 

私は岩本照さんがステージで放つパフォーマンス力が大好きなのでステージに立つ岩本照さんにはいつも衝撃を与えてもらっているけど、岩本さんがクリエイターとして参加した作品に関しては良いなコレ!最高だね!くらいの鈍い感覚でしか感じ取ることが出来なくて。
Snow Manにドハマリした時、リピートするくらい好きになった楽曲は「VI Guys Snow Man 」で
これも岩本さんが振付をしていたけど、それもすごい!かっこいい!ひーくん天才!なんてライトな感想でした。

それが視聴者としては普通の感覚だと思うけど、それでも衝撃を受けることはあります。
なのでクリエイターとしての岩本照に衝撃を受けたのは、今回で三度目です。

一度目はデビュー曲のカップリング曲「Crazy F-R-E-S-H Beat」を見た時、
Snow Manが9人でパフォーマンスする最高の作品が出来たと思ったくらい。
二度目は「Infighter」のパフォーマンスを見た時、当時深澤さんがバナナサンドで習得した棒立ち←を堂々とパフォーマンスに入れ込んできた岩本照のセンスと各所へのリスペクトそのままをアウトプットする能力に脱帽した。

まさか三度目がSnow Manが関わっていない舞台だなんて誰が想像したよ。

岩本さんのそういった衝撃はSnow Manを通して受けるものだと思い込んでいたからこそ、本当に震えた。


浮所担の友人に「岩本さんは演出のセンスがあると思います」と言われた。
その子は関西も好きで関西の少年たちも観ていて、美が関わってからは欠かさず観ていたそうだけど、今年の「少年たち」が一番好きだと言ってくれた。
岩本さんはセンスがある、魅せ方がうまい、ライトがすごかったしかっこいい、舞台展開が上手、美の子たちのレベルも全然違うからすごく頑張ったのが伝わる、岩本さんの気持ちを受け取ったんだと思う、演出に向いてる、天才だと思う、と。
驚くほどべた褒めで、戸惑うくらい。
新曲の評判もめちゃくちゃ良くて、まぁそれは岩本さんが元々得意としているフィールドだから発揮されて良かったと思ったのですが舞台全体の評判があまりにも良くて、岩本さんを天才ですよと褒めてくれる人がたくさんいる。

 
天才って生まれつき備わった優れた才能を持つ人のことを指す言葉。

 
でもこの「少年たち」の舞台は岩本照さんが経験したジャニーズ人生のアウトプットでしかない。

覚えのある人が多いと思うんだけど、私は学生時代に勉強したことを大人になって発揮できた試しがないんだよね←
それはその時インプットした事なんて、ただこなすだけで生きてきたから。
岩本さんはジュニア時代を含めると17年ジャニーズの世界に身を置いていて
その17年間で感じた「これかっこいいな」「これやってみたいな」「これ良かったな」の純粋な気持ちをそのまま大人になってもアウトプット出来る人なんだと思う。

それって全てのステージに魂を傾けないと難しいと思う。
10代の幼い頃から義務でもなんでもない事柄にここまで魂を傾けるってジャニーズでしか出来ないことだったと思う。

そういうのを教えてくれる先輩たちがいたからだし、そういったエンターテインメントを作り続けてくれたジャニーズの世界があったおかげ。
「少年たち」を深く知り得ないと無理、新橋演舞場に何度も演者として立たないと空間の把握なんて無理、何度も何度も経験して、吸収しなきゃこんな舞台にならない。

 
だから、こんなに時間をかけた舞台を知らないし初めて見た。
岩本さんにしか出来ない。
こんなものは生まれつき優れた能力でもなんでもない、ジャニーズが生み出して、ジャニーズで身につけた岩本さんの力でしかない。
そんな人のことを、私は生まれつき備わった優れた能力がある【天才】なんて、呼べるわけない。

 

2023年の10月、エンターテインメントの世界からジャニーズという名前が消えようとしている。当たり前にあると思っていた世界が、なくなろうとしている。
そんなタイミングで、岩本さんが生きたジャニーズをこんな形で見せてもらえるなんて思わなかった。

岩本さんの全てをかけた、という言葉は少し語弊がある。
全て、ではない。岩本さんはまだ出せるしまだやれるし、まだ表現できると思うから。
岩本照はまだまだこんなもんじゃなし、まだ引き出しがある。

語り継がれたジャニーズイズムをなくせと言われる今に、
岩本さんが築き上げた独自のイズムが誕生するなんて、想像もしてなかった。


天才なのはこのタイミングで岩本照に「少年たち」の演出を任せようとした人では???←

岩本さんは「少年たち」の演出が決まってからこちらにもわかるくらいインプットに時間をかけていた。
本場のショーも一緒に振付をするPURIさんと観に行ったりね。
17年のインプットと、決まってから意識して取り入れたインプットを華麗にアウトプットした、それが今年の「少年たち」で、それを見事に表現してくれたのが美 少年を始めとするジャニーズ所属のタレントで。

 

残念ながら今のメディアや世間は「少年たち」といえばジャニーさんが、とか
桶ダンスが、とかでしか印象がないし今年岩本さんが演出をやって生まれ変わってるなんてどうだっていいんだよね。
それでいいと思う、たとえ世間がそうであっても私は受け止められたしエンタメを楽しんだよ。

最高だよ、今年の「少年たち」って思えたから世間なんて関係ないよ。

観れて良かった、私は岩本担として観るべきだったと心から思ったし
エンターテインメントってこうだよねって、最近嫌なニュースばかり見ていたからこそ「少年たち」のエンタメが沁みた。
岩本担の中には岩本さんが表に出ない仕事ばかりして!とプンスカしている人が多いのも理解しているけど、このエンタメを見ようともしないで、受け取らなかったくせに、そんなこと言わないでほしいとすら思うくらい観る意味があったと感じた岩本担です。
観た上で言うけど、来年は岩本さんも出演したらいいよ「少年たち」←

なくなるかもしれないけど、今は未来なんてわからないから好き勝手想像させてほしい。
それがエンタメってもんでしょ。

 

長々語ったがとにかく衝撃を受けた、まったく新しい「少年たち」が岩本イズムに寄って誕生した瞬間に立ち会えて、本当に良かったです。

 

 

 

ちなみに岩本担から見た美 少年は

大昇爆裂に歌上手いな!?!?てか美は全員歌上手いな!?中でも大昇が歌の安定感えぐいな!?藤井くんやっぱりかわいい!!敬語キャラめっちゃ合ってる最高ちっちぇ!金指くんも浮所くんも芝居がうまいね!?芸達者だね!?龍我くんタッパが!!良い!!でかい子はステージ映えすごい!!芝居も上手い!!パン美味しい!?那須の顔面!顔顔顔!2階席なのに那須の顔面に抗えない目が那須を追う顔面強い那須の顔!!!!

って感じです。

rivalなんて嫉妬でしかない、なにあれ岩ジェで観たすぎた演出なんだけど。
かっこよすぎて嫉妬。でもうきなす最高に良かった。

那須担の友人に「りっちゃんは美だと誰かな~」と言われたときに
「ほら私って実力主義じゃん?藤井くんがチャンプで披露していたタップダンスが上手で気になってるんだよね~ドヤァ」
って言ったのに生で観た那須くんの顔面が強すぎて抗えなかったことだけがほんの少しだけ悔しい。イケメンってすごい。

無所の子たちは申し訳ないことにミリも知らなかったので勉強中です。
千井野くんはスタイルが良くてお芝居も上手だったのですぐに覚えました。
フォロワーさんに“あだちいの”を教えてもらったので次行くときはそこに注目しようかなと思ってます。
(無所の子たちのSNOW TIME選曲もゴリゴリ岩本照すぎてですね?)

 

岩本照がいないのに、また観たい舞台なんて、あるんか?

あったんだよ、びっくりだよ。
那須の顔面にやられてるわけじゃないよ?ほんとだよ?)

これではまるで「少年たち」のファンだ。
こうして舞台そのもののファンを生み出したのも演出家・岩本照の手腕じゃん。(自担贔屓すぎる)

 

願わくばこの評判が松竹のお偉いさんに届いて岩本照さんが演出構成をやる岩本照さんが主演をやる冠舞台が誕生しますように。

それまでは岩本照さんが提供してくれるエンタメを存分に楽しませて頂きます!!